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  • カラーユニバーサルデザイン(CUD)とは、先天的な色覚障がいや加齢による白内障、緑内障などによって、色の見え方が一般と異なる方にも情報がきちんと伝わるよう、色使いに配慮したデザインのことです。このCUDを実際に体験してもらおうと、高知市の果物店「やまちょう」の山本さんオススメの「碧(あお)の水晶」という文旦を使って、より美味しく見せる化粧箱とリーフレットの色彩設計を行いました。

 私の祖母は身体に障がいがあります。おばあちゃん子の私は、健康な人が感じにくい不便さに気付く機会が幼い頃から多くありました。祖母の生活を少しでも楽にするために「私にできることは…」と考える毎日の中でユニバーサルデザインと出会い、この科に入学しました。本格的に学んでみると驚きの連続です。色は光の影響を受けるため、天候によって、まるで異なった色彩に変わります。人間のもつ色覚が、その感じ方を絶妙に調整してくれるのですが、その色覚自体も人それぞれに違うため、一人ひとりが違う色彩の世界に生きているということになります。その色をデザインすることによって、暮らしやすい社会をつくるこの仕事は、本当にやりがいがあるものだと実感しました。

 高知の地場産品にもっともっと愛着を持って欲しいという私たちの願いを込めて、授業に高知特産の文旦を取り入れました。生産者の方々の想いに心を寄せながら、視覚だけではなく、味覚や嗅覚、触覚など五感を使って色彩設計することで、イメージの幅も広がります。今回はグループで取り組んでもらいましたが、友達とワイワイ対話しながら進める授業は新鮮で楽しかったようです。最後には生徒たちから「この色の補色は何番ですか?」などと積極的な質問が出てきて、心の中で「いいぞいいぞ♪」って思っていました(笑)。これから色彩検定に向けての勉強が始まりますが、身の周りのすべての色にはそれぞれの意味があり、その組み合わせによって生まれる色彩効果を、日々の生活に役立てていって欲しいと思います。

 当校の生徒たちの多くは「モノづくりがしたい」という明確な目標を持っています。そのモノづくりにチャレンジできる実習体験は、生徒たちに大きな達成感を与え、確実に自信につながっているようです。工業高校出身者は、企業から即戦力を求められることが多くありますので、現場の第一線で活躍されている大倉さんの授業は、生徒たちに大きな可能性を与えて下さるものだと感じています。「モノづくり」という物質的な枠組みに止まらず、相手の立場に立って考える心をグングン育てて欲しい。そんな心のユニバーサルデザインを目指して欲しいと考えています。