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熱血先生図鑑

    サニーアクシス南国店|久保さん


     南国市のごめん商店街で活躍するご当地ヒーロー「ごめんジャー」に触発され、「おやさい戦士べじたぶるふぁーむ」を結成。農業の普及と地域活性化の願いを込め、ヒーローに野菜を引っかけました。最初は難色を示していた生徒たちでしたが、「これを先生が着たら気持ち悪いろう?お客さん帰るで。フレッシュなみんなだからこそできること、今しかできないことをやってみようよ」と語りかけると全員が力強く頷いてくれました。
     ちなみに「ごめんジャー」の中には市の職員の方も。有給休暇を取っては練習に励み、町に人を呼び戻したいという一心で頑張っています。そんな大人と出逢うことで彼女たちの人生観や職業観が変わることもあると思います。9月には高知市で開催された「ラララ音楽祭」に「ごめんジャー」と共演。土砂降りの雨の中、私はバックバンドでサックスを演奏。彼女たちに合わせてステップを踏みながら吹いていると、観客席に地元のお米屋さん夫婦とクリーニング屋さんの姿を発見。雨の中、南国市からわざわざ・・・。地域の絆を実感した瞬間でした。

     陸上部が全国高校駅伝出場を決めた瞬間、みんなを応援したくて、押しかけカメラマン生活を勝手にスタート。ボーナスで新調したビデオカメラを手に乗り込んだ応援バス。移動の様子から全行程を撮影し、映像を編集して監督にプレゼントしました。保護者の皆さんにも見てもらえたら・・・という監督のリクエストにより送別会で上映することになったのです。
     送別会当日、一人で機材を持ち込み、上映準備をする部外者の私。あの人、何をしているんだろうという雰囲気でしたが、上映が始まると一変。スクリーンに生徒たちが映り出されるたびに笑い声がわき起こり、やがてあちこちから鼻をすする音が聞こえてきました。映像が終わり、会場がパッと明るくなって周囲を見回すと、部員や保護者の方々の満面の笑顔。この時、押しかけカメラマンを返上し、正式に副顧問となりました。
     それ以来、生徒たちの一瞬を撮り逃すまいと、カメラを常時携行するように。真っ赤な夕日を見つけると「使える!」とカメラを取り出す毎日。卒業式までに入学式から日常の様子を撮影した動画や写真を盛り込んだ映像を作ろうと連日連夜の編集作業。下駄箱で靴ひもを結ぶシーン。ゴールテープを切った表情。田植えで泥まみれの姿。保護者の皆さんは学校での日常を知ることができません。私自身、子育て中の身ですので、親の気持ちで生徒たちの軌跡を残すことに魂を捧げた毎日でした。

     中学卒業の頃。獣医を目指すために室戸を出たいと打ち明けると、漁師の父親は猛反対。なんで農業高校なんだと泣かれました。なんとか納得してもらい進学した高1の冬。担任の先生が獣医大に進むための相談をしに家庭訪問してくださいました。もともと大反対の父。「そんな金があったら船を買う!」の一点張り。落ち込む私に先生が投げかけた一言、「夢を繋ぎなさい。君が獣医になってもたった一人の獣医が増えるだけだけど、君が先生になれば何人もの獣医を誕生させられる」。高知大学に進学し、必死に勉強して授業料免除制度を利用することができました。残りの生活費はアルバイトで工面。少し方向は変わったものの夢を実現できたのは、厳しく育ててくれた父と、室戸という環境があってこそのことだと感謝しています。