7月中旬、マッチングセミナーに官公庁として唯一参加していた高知労働局さんでのインターンシップが始まりました。なんとなく公務員の道を考えていた私に労働基準監督官の方から伺ったお話は鮮烈な内容でした。企業に抜き打ちで訪問し、社員のサービス残業などがおこなわれていないかを調査し、改善指導する仕事です。国家公務員の資格を持ち、違反者を逮捕する権限も与えられています。働く人の権利を守り、社会を公平に保つ働き方に「これだ!」と感じるところがありました。
 人と関わることへの苦手意識を克服するためにアルバイトを始めました。接客業を選んだ理由は嫌でも人と関わる状況に自分を追い込むためです。さらに、視野を広げたいと考えて労働局とはまったく異分野の宇治電化学工業さんでのインターンシップにも挑戦しました。製造ラインでの箱詰めと荷積み作業は、暑さと疲労で朦朧としてしまうほどでしたが、多くの気付きを得ることができました。慣れからくる油断が深刻な事故を招くため、従業員同士で互いを気づかい、体調を確かめ合って生まれる団結力。全体の流れを把握した上で自分の役割を果たす責任感。業界や職種に関係なく大切となる働き方の軸のようなものを学ばせていただきました。





 インターンシップセミナーに参加して驚いたのが、採用予定のない企業も学生を受け入れていたことです。自社の採用がなくても高知の未来を担う若者を育みたいという志に感銘を受け、自分の働き方を見つめ直すよい機会となりました。
 実は私は大学卒業後に民間企業に就職しましたが、1年足らずで辞めてしまった経験があります。フリーター生活を2年ほど続けながらも「えい大人が何しゆうがな。情けない」という思いが募って一念発起。公務員試験に挑戦する覚悟を決めました。気が緩みそうな時もありましたが、「そんなことでえいがか?」と自問自答。これまで支えてくれた家族と自分の将来のために必死でした。失敗があってこそ、大切にしたい人がいてこそ、人は頑張れる。未来を生きるインターンシップ生の皆さんには、何事にも悲観的にならず柔軟性を持って取り組んで欲しい。


 学生には事前に会社に来てもらい、じっくり話し合った上でプログラムを決定します。「民間企業の仕事も知りたい」。公務員志望の明神さんの強い想いを受け、あえて肉体労働にも挑戦してもらいました。興味や適性とはまったく異なる分野の仕事。大変だったと思いますが、体験の中から何かを見いだし、自分の糧としてもらえれば、と願っています。
当社は、自社製研磨材で世界を相手に商売をしています。宇治電にしかできないと頼ってくださるたくさんのお客様を支え、支えられる仕事。社長の想いは「安売り量販店ではなくオーダーメイドの紳士服屋」を目指すこと。公務員も中小企業者も本質は一緒。そこで働く人間が力を合わせ、知恵を絞ってお客様のお役に立つこと。高知はビジネスには不利だとも言われますが、地元にこだわって働き、郷土に貢献することを誇りに思います。