「お客様全体ではなく、一人ひとりに自分ができる最大限の力を発揮する」というサニーマートさんの考え方。以前、ウェイターのアルバイトをしていた飲食店で教えられた「(すべての)お客様を大切にしなさい」という言葉とは少し違っていました。早く提供することばかりを求められることに違和感を持っていた私に、「大切にすること」の本当の意味を教えてくれたのが中万々店の山崎さんです。食肉コーナーに配属された3日間、「誰のために何ができるのか」を自問自答し、常にお客様一人ひとりのことを考えて行動する背中は、深く強く胸に刻まれ、今でも鮮明な記憶として残っています。
 お客様という言葉には従業員も含まれています。声をかけ合って助け合い、仲間を想いやる姿をたくさん目にしました。「自分にできることは何か」を常に考えることで、やるべきことが自然と見えてくる。正解ではなく最善を尽くす、という考え方はこれまでの私にはなく、大きな発見でした。
 今回のインターンシップで出会った従業員や生産者の方々に共通しているのは、仕事上の理想や目的を明確に持っているということです。働く目的がいまひとつ曖昧だった私にとっては衝撃的でした。これを機会に、具体的なイメージを描けるよう、もう一度考えていきます。
 来年の春からは県立大学の提携校であるエルムズ大学に1年間の留学を考えています。親に負担をかけたくないので留学費用はアルバイトで貯めました。異文化に触れて視野を広げ、英語を将来に活かしたい。これからは勉強に専念し、社会に出る準備を進めます。





 学生たちから託される10日間。「あぁ、面白かった」と楽しいだけの時間にしてしまうのか、辛い体験を乗り越え、成長に繋がる時間とするのか、プログラムの組み方ひとつで大きく変わります。人事部内で何度も何度も練り直し、時間をかけて完成させました。
 小売価格が100円の牛乳と248円の牛乳。何も情報がなければ100円のものが売れて当たり前です。そこで、学生たちに生産者を訪ねたり、バイヤーにインタビューをしてもらったりして、商品が生まれてからお客様の手に渡るまでを自分の目で確かめてもらいました。価格の背景にある、大勢の方々の努力やこだわり。その価値をいかにお客様にお届けし、吟味して頂くか。私たち小売店の感性と力量が試されるところです。
 生産者、バイヤー(商品の買い付け)、小売店の連携で成り立つ流通ビジネス。私たち小売店は、リレーで言うところのアンカーです。商品をお買い上げいただくということは、私たちの気持ちが伝わり、認めてもらえた証なのです。
 インターンシップ生の出上さんが最終日に言ってくれた、「お金はないけど、できるだけサニーマートで買い物したい」という言葉がすべてです。「商売」の奥深さや面白さを肌で感じてもらい、大勢の方々の想いや努力が結集したバトンをお届けする仕事だと理解していただける機会となったのではないでしょうか。