• 「まずアクション!」で始まる
    前田さんの成長ストーリー。

     ステップアップセミナー当日は記録的な集中豪雨。公共交通機関のダイヤが大きく遅れる中、開始3分前に会場に駆け込んできた一人の女子学生。「JRが止まっていたので、今日はもうやめておこうと考えたけど、行ったら必ず得るものがあると思って来ました!」と興奮気味に話す前田さん。  5月のマッチングセミナーの時も「セミナー開催を知った以上は、行かなくて後悔するより、行って後悔した方がいい」そう考えて前田さんはインターンシップへの第一歩を踏み出した。  
     マッチングセミナーでは、企業の担当者からインターンシップについての興味深い話を聞いたり、見ず知らずの他校生とのグループディスカッションが行われた。そこで彼女は話し合った内容をまとめて発表する役割を引き受けた。「すべてのことが挑戦するうえでのよい刺激となりました。自分の発表と他の学生の発表を比べて、自分の未熟さを感じたりもしましたが、まずは行動を起こして試練を乗り越えていくなかで、心から楽しめるようにもなり、以前より自分に自信が持てました」と語る。前田さんはインターンシップ先をひまわり乳業に決めた。

    「売ることだけが営業じゃない」
    体験することで大切なものに気付く事ができた。

     「インターンシップは、授業の一環として単位取得のために参加するイメージもありますが、通常の学生生活では味わうことのできない環境に身を置き、学びを得ること自体が貴重な体験だと思っていました」と前田さん。
     目の前にチャンスが転がっていたら飛びついてでも拾う、と断言するほど積極的な彼女。志望する職種は営業職だそうだ。
     「営業の方は会社を代表してお客様と直接やり取りする。そういう意味では会社の社長のようなものだと思っています」「ひまわり乳業の営業担当の方に、仕事のやりがいについてお話を聞かせていただきました。お客様はもちろんのこと、仕入先の方や卸先の方、とにかくいろんな方との出会いがあり、学ぶことができる。そんな素敵な仕事だと聞きました」目を輝かせながら話を続ける前田さん。「原料となる牛乳を仕入れている契約牧場にも連れて行っていただきました。牧場の方は訪れた私たちを大変温かく迎え入れてくれて、安全でおいしい牛乳づくりへの並々ならぬこだわりや、乳牛たちに注いでいる愛情について熱く語ってくれました」

  •  プログラムの中に、様々な種類のひまわり乳業のオリジナル商品を試食、試飲できる機会があったそうだ。最初は様々な商品を味わうことで頭がいっぱいだったそうだが、やがて気付いた。「お客様に提供する商品が誰の手で、どんな想いで作られて、どんな風に加工されるのか。そして、それがどれほど健康に良くてさらにおいしいのか…。営業職として、自信と誇りをもってお客様にお薦めするための貴重な経験なんだと実感しました」
     そんな経験をする内に、「商品とか値段とか、目で見えることだけで判断するのではなく、もっと広くて深い視野で考えることが大事。体験することでしか学べないことがあることを実感しました。いろんな方から様々な学びを得るためにコミュニケーション能力を高めていきたい」と考えるようになったそうだ。

    「ありがとうを形にしたい」
    感謝の気持ちで取り組んだ新商品開発。

     5日間という短いインターンシップ後半の2日間は、新商品を開発するという課題を得た。
    「お世話になった方への恩返しをしたい」そんな思いで彼女たちが考えたのは牛乳を使った入浴剤だった。
     牛乳の生産量は夏が少なくて冬に多い。しかしそれとは裏腹に、よく消費されるのが夏場で、冬場は消費量が大きく落ち込むのだそうだ。
     「冬場に消費しきれない牛乳は廃棄されてしまう。牧場の方々が大切に作った牛乳をなんとか捨てずに活用したい」そこで考えたのが、余った牛乳を使用した入浴剤だった。このアイデアは、生産者さんの想いやこの会社で働く人達の姿を実際に見聞きしなければ、出てくることはなかったであろう。
     わずか2日という短い期間で考えだしたこの企画。「荒削り」と感じられる点もあったが、社長の吉澤さんは現場では生まれることのなかった新鮮な発想に「まいったねー」と舌を巻く。その後、さらに良い商品にしようと、学生に交じって楽しく意見を交換した。
     「実際に働く皆さんと触れ合って、仕事とはやらされるものではなく、やりがいを持って、楽しみながら行うものだということに気付きました。人との関わりや、ご縁の大切さについて深く考えるようになり、以前に増して何ごとにも挑戦していきたいと感じるようになりました」「もっといいものをお客様に提供したい…」商品づくりに情熱を燃やし、誠心誠意、真心いっぱいに働く人達と出会い、その想いに心を寄せてみる体験を通じて、前田さんは自分の理想像を一層鮮明なものにすることができたようだ。